柔軟剤等に使用されてる徐放剤マイクロカプセル類もマイクロプラスチックの仲間になります

マイクロプラスチックに付く環境ホルモン物資が問題となります

女性の発達障害は目立ちにくい説

https://news.goo.ne.jp/article/tbs/life/tbs-919271.html

医師も、親も、周囲も気づくのが難しい「女性の発達障害」 精神科医が指摘する“気づかれないリスク”

2023/12/31 07:00

2023年は『悪質ホスト問題』が大きく注目された。そもそもなぜ女性たちはそんな危険なところに行くのだろうと感じた人もいたかもしれない。その背景に「発達障害」の影響を受けているケースもあるのではないかと指摘する精神科医がいる。取材すると、女性ならではの発達障害による困難がみえてきた。

女性ホルモンや親のフォローが影響?気づくのが難しい「女性の発達障害」

厚労省の調査(※1)によると、発達障害と診断された人の数を男女別でみると、男性の割合が68.8%、女性の割合が29.9%という結果で、男女比にすると、1:2.3人と性別によって大きく違いが出ている。

一見すると、発達障害は男性に多いとよめるが、実は女性も診断数以上に存在していると考えられている。

早稲田メンタルクリニック院長で精神科医の益田裕介さんは、女性の診断数が少ない理由には、女性の発達障害の特性は目立ちにくく、医師も、親も、周囲も、気づくのが困難という背景があるという。そして、そのことによる女性への影響は大きいと解説する。

ーーなぜ女性は発達障害だと気づかれにくいのでしょうか?

ーーなぜ女性は発達障害だと気づかれにくいのでしょうか?

益田裕介 早稲田メンタルクリニック院長
「男性は、男性ホルモンの影響を受けるので、より攻撃的になったり、多動が激しくなるので、特性が目立ちやすいことがあります。一方で、女性の場合は女性ホルモンの影響を受けるので、大人しくなっていくことがあります。

女性の発達障害の特性の一つに、忘れものや遅刻が多いといった傾向があるのですが、他の要因が関係して起きていることもあります。また、これらの行動を親が自分の責任だと思ってしまい、手助けをしてしまうんですね。そのために見つかりにくいということもあります」

ーー子どものためにフォローすることは親としては当然な気もしますが…。

「ほどよく、挫折とか、失敗を体験させることも大事だったりします。大学生まで、社会人になるまでと、親がフォローできても、その後は自分で何とかなるだろうとなってしまう。結果、親が助けて何とか成長して、あとは自己責任になってしまうんです」

「いろんな課題があるのですが、一つには、性被害に遭いやすい点が挙げられます。

社会には暗黙のルールがたくさんあるっていうことを、丁寧に説明してあげなければならないのですが、性に関する暗黙のルールや機微は親は伝えにくいし、友達から教わることもあまりないので、性被害に遭いやすいんですね」

ーー性に関する暗黙のルールって、どういうことでしょうか?

例えば夜道や、男性ばかりの飲み会って、暗黙的に“危険な場所だな”と認識できますよね。しかし発達障害の方は、仲の良い人たちだから行ってみようかなとなるんです。“危ない” “怖い”という感覚がないことがあります。

さらに例えば、2人でゲームしない?と誘われて男性の家に行くことも、ある意味、性的関係になる可能性もあるのに、社会的文脈や暗黙知が分かりにくいんです」

ーーいわゆる一般的な常識とは違う常識で動いてしまうんですね…。

「発達障害の方は周囲から『何でできないの?』『何で人の気持ちがわからないの』と否定され、怒られてきたケースが多いです。

ーー女性でコミュニケーションが苦手というのは、他にも影響がありますか?

「特に女性社会だと苦労します。男性社会って雑な言い方をすれば、ミスをしても『おもろいやつ』っていう扱いになりますが、女性社会は調和を求めることが多く見られます。調和と協調を重んじるカルチャーですね。そのカルチャーから外れると排除されやすいですよね。

さらに困っている人のところには、男の人が寄ってきやすいんです。そうすると『男の人に助けてもらって、計算なの?』ってなることも」

ーー男性に媚びを売っている意識はないのに、そう見られてしまうんですね…。

「でも、普段疎外されている人たちは、こういうときに男性に助けてもらうと、やはり脳がとろけてしまうんですよね。最初はそんなつもりはなかったけど、助けてくれたことを学習してしまい、依存のような形になってしまうケースもあります」

特性を受け入れるには・・・“普通”とされる価値観ではない価値観に触れて

ーー本人の問題というより、特性による周囲との問題が積み重なって影響を受けていることがよくわかりました。大人になってそれが障害によるものだとわかっても、向き合うのは難しそうですね。

「障害と自尊心って、相矛盾するものなんです。発達障害の人は、一つの価値観にとらわれる傾向があります。それが少しでも劣っていると自分の価値を認められず、自尊心が傷ついてしまいます」

ーー女性には、娘、妻、母、と価値観が変化するということもありますよね。発達障害の女性はいったいどうしたらいいのでしょうか。

「いわゆる“普通”とされる価値観ではない価値観に触れることが大事です。

例えば、現代社会においては、効率よく仕事ができる、お金を稼げることが価値と考えられています。でも本来は、それは価値観の一つで全てではないですよね。他にも価値はあるということを理解し、自分の価値観に組み込んでいくっていうのが、大事になります。

SNS、病院や福祉、患者会でもいいです。日常とは違う人たちの価値観の中に入ると、多分見え方も変わってくるし、楽になるのではないかと思います」

(12月29日放送・配信『SHARE』より)
※1 厚生労働省 平成28年生活のしづらさなどに関する調査

 

このことは、最近、社会問題になっている「悪質ホスト問題」にもつながっているのではないかと思っています。否定され、怒られてきた人が、ホストに『キレイだね』『ステキだね』なんて褒められると、もう脳がとろけるくらい嬉しくなってしまうことがあるんですね。

世の中ではホストにハマる女性への自己責任論もあるようですが、精神科医目線だと、そうではないケースがあることもわかるので、この問題をどのように解決すべきかが今後の課題だと考えています」

『男の人に助けてもらって、計算なの?』女性カルチャーに困難

 

ーーそうなると、どうなるんでしょうか?

「大人になってから発達障害が診断される場合というのは、大人の社会に適応できないからわかるということがあるんですね。みなさん、本当に困っています」

性被害というリスク・・・性に関する暗黙のルールがわからない

発達障害の特性の一つに「コミュニケーションが苦手」という点がある。このことは、診断されず、支援がないまま成長してしまうと、社会生活の中でいくつもの課題を生み出すのだという。

 

 

 

 


「現時点での環境中汚染物質暴露濃度は、胎児の発達に有害
影響を及ぼすという証拠が得られた。」

379ページの報告書で結果が確実なのを抜き出しました。

下の方に抜き出した3ページほどが有ります。

全文を見ると気の遠くなるような予算と検体の協力が必要なのが理解出来ると思います。

全文はウエブでは見られず、ダウンロードだけです、2.5Mですので、PC又はスマホメモリーに余裕有る方は下の行にリンク付けました。

平成 22 年度内閣府食品安全委員会事務局委託業務報告書

ヒトの発達障害と農薬に関する情報収集調査

平成 23 年 3 月
株式会社三菱化学テクノリサーチ

目次
はじめに
1. 調査の概要................................................................................................... 1
2. 検討会について............................................................................................ 2
3. 疫学研究 ...................................................................................................... 3
3.1 疫学研究文献に係る調査方法 ................................................................. 3
3.1.1 疫学研究文献の収集 ......................................................................... 3
3.1.2 疫学研究文献の整理 ......................................................................... 4
3.2 疫学研究文献に係る調査結果 ................................................................. 5
3.2.1 疫学研究文献の検索結果及び調査対象文献の選定........................... 5
3.2.2 調査対象疫学研究文献一覧............................................................... 7
3.2.3 調査対象疫学研究文献の特徴 ......................................................... 11
3.2.4 疫学研究文献の抄録 ....................................................................... 19
4. 動物実験系................................................................................................. 99
4.1 動物実験系文献に係る調査方法............................................................ 99
4.1.1 動物実験系文献の収集.................................................................... 99
4.1.2 動物実験系文献の整理.................................................................. 101
4.2 動物実験系文献に係る調査結果.......................................................... 101
4.2.1 動物実験系文献の検索結果及び調査対象文献の選定 ................... 101
4.2.2 調査対象動物実験系文献一覧 ....................................................... 102
4.2.3 動物実験系文献サマリーシート ................................................... 104
4.2.4 動物実験系文献の抄録.................................................................. 114
5. 海外におけるリスク管理措置、リスク評価............................................. 144
5.1 海外におけるリスク管理措置、リスク評価に係る調査方法............... 144
5.1.1 海外におけるリスク管理措置、リスク評価に関する情報の収集 . 144
5.1.2 海外におけるリスク管理措置、リスク評価に関する情報の整理 . 145
5.2 海外におけるリスク管理措置、リスク評価に係る調査結果............... 147
5.2.1 海外におけるリスク管理措置、リスク評価に係る調査対象文書の選
定 ............................................................................................................. 147
5.2.2 海外におけるリスク管理措置、リスク評価に係る調査対象文書一覧
................................................................................................................. 147
5.2.3 海外におけるリスク管理措置、リスク評価に係る比較................ 155
5.2.4 海外におけるリスク管理措置文書の抄録 ..................................... 175
5.2.5 海外におけるリスク評価文書の抄録 ............................................ 251
6. 後書き ...................................................................................................... 353
6.1 疫学研究、動物実験系の文献調査 ...................................................... 353
6.1.1 疫学研究について......................................................................... 353
6.1.2 動物実験系について ..................................................................... 354
6.1.3 疫学研究、動物実験系の今後の方向性について .......................... 354
6.2 海外におけるリスク管理措置、リスク評価の調査 ............................. 354
別添資料 1: 検討会委員名簿
別添資料 2: 文献検索に用いた農薬原体名
別添資料 3: 疫学研究に関する和文抄録に用いた略語一覧
別添資料 4: 動物実験系に関する和文抄録に用いた略語一覧
別添資料 5: 海外規制状況調査に関する和文抄録に用いた略語一覧

3
3. 疫学研究
3.1 疫学研究文献に係る調査方法
3.1.1 疫学研究文献の収集
疫学研究について、下記の検索用語(3.1.1.3 参照)を組み合わせて検索式
3.1.1.2 参照)を作成し、検索データベース(3.1.1.1 参照)を用いて 2000
年以降に刊行された文献のみに限定した検索を行った(~2010 10 月)
なお、これらの検索方法については試行的な検索結果を検討会に諮り、委
員の指摘を受けて方法を修正した上で検索を実施した。
3.1.1.1 検索データベース
検索に用いるデータベースを複数、比較検討した結果、多数の雑誌が収
載されており、試行検索におけるヒット文献数が多かった PubMed を用い
ることとした。
3.1.1.2 検索式
下記の検索用語群を AND 検索により全て組み合わせた検索式を用いた。
①『農薬』に関する検索用語群
②『ADHD 等』に関する検索用語群
③『疫学』に関する検索用語群
3.1.1.3 検索用語
1 農薬に関する検索用語群
農薬全般に係る用語及び調査対象の 4 系統の名称として以下の語を
使用した。なお、”pesticide(s)”にはゴキブリ、ハエ等の衛生害虫の防
除を目的とした薬剤も含まれるため、本調査における対象は、農薬取
締法で定められた農薬に限定できないことに留意が必要である。
pesticide(s)organophosphate(s)organophosphoruscarbamate(s)
pyrethroid(s) neonicotinoid(s) insecticide(s) herbicide(s)
rodenticide(s)acaricide(s)fungicide(s)molluscacide(s)insect
repellent(s)agrochemicalsplant protection product(s)
さらに、調査対象 4 系統の農薬原体名も使用した(詳細は別添資料 2
参照)用いた農薬原体名は、有機リン系が 210カーバメート系が 135
ニコチノイド系が 11、ピレスロイド系が 87 である。
2 ADHD 等に関する検索用語群
ADHD(hyperactivity AND attention deficit)AD/HDattention

4
deficit disorderADDattention deficit dysfunctionattention deficit
disfunction hyperactivity impulsivity impulsion impulsive
behavio(u)r abnormal behavio(u)r specific mental disorder
development(al) disorder developmental disability(ies)
psychological symptomneuropsychiatric symptom(emotion AND
affect)neurological toxicitybehavioral disorderneurodevelopment
cognitive deficit)
3 疫学に関する検索用語群
疫学研究全般及び疫学研究デザインに係る用語として以下の語を使
用した。
epidemiological study environmental epidemiological
investigationcohort studycase control studyprospective study
longitudinal study follow-up study retrospective study cross
sectional studycase history studyecological studyprevalence
studyobservational studyintervention studyintervention trial
experimental epidemiologyanalytical epidemiologyepidemiologic
epidemiology
3.1.2 疫学研究文献の整理
3.1.2.1 疫学研究文献情報の整理
3.1.1 で収集された各文献について、文献題名、著者名、出典及び出版年、
農薬名及び農薬系統、暴露状況(暴露評価の特徴、暴露指標、暴露濃度、
測定方法、検出限界)、疫学研究手法(疫学研究デザイン、研究を実施した
時期及び国・地域、エンドポイント、調査対象の年齢・性別・人数等、統
計解析)、交絡因子の調整、研究の背景・目的、結果及び考察、研究の限界
等の情報を抜粋し、和文抄録(以下「抄録」という。)としてまとめた。
各文献において略語が用いられている場合はそれに準じた。なお、一部
の略語が複数文献で共通して用いられているため、全ての疫学研究文献抄
録に用いた略語を一つのリストにまとめた。
各抄録は右肩に文書番号を記載して整理した。
レビュー文献や他の文献に関する意見を述べた文献については抄録の文
書番号に「R」と追記し、文献題名の欄にレビュー文献等である旨を明記
した。
また、抄録の記載内容と直接的に関連がない、例えば他の文献との関連
等の情報については、抄録の備考欄に記載した。

5
なお、以上の抄録に記載する項目、書式等は検討会に諮り、委員の承認
を受けた。
3.1.2.2 疫学研究文献の特徴の整理
各疫学研究文献の特徴として、調査された農薬系統、暴露評価の方法(直
接測定、間接評価等)に関する情報を抽出するとともに、評価に用いられ
たエンドポイント(ADHD 等の発達障害との関連が推測されるエンドポイ
ントが用いられているか)、疫学研究デザイン(横断研究、前向きコホート
研究等)を考察、判断し、表にまとめた。
文献は、疫学研究デザインが前向きコホート研究の文献を初めとし、続
けて横断研究、後向きコホート研究の順に、各研究デザインの文献の中で
発行年が古いものから並べ、文書番号として「疫-No.」を連番で付した。
なお、これらの表に記載する項目、書式、文献の並び順等は検討会に諮
り、委員の承認を受けた。
3.2 疫学研究文献に係る調査結果
3.2.1 疫学研究文献の検索結果及び調査対象文献の選定
PubMed を用いて検索を行った結果、2,087 報の文献がヒットした(2010
10 月に検索実施)
これらの文献から、本事業の調査対象である農薬(有機リン系、カーバメ
ート系、ネオニコチノイド系、ピレスロイド系の 4 系統に該当するもの)と
ADHD 等の発達障害との関連に係る文献のみを抽出するため、各々の標題、
要約をもとに選定を行った。
その結果、レビュー文献も含めて 12 報が抽出された。抽出文献数が食品安
全委員会事務局規定の文献数(70 報)に大きく届かなかったため、下記のと
おり調査対象文献のさらなる収集を検討し、21 報を調査対象文献として追加
した。これにより、調査対象疫学研究文献は計 33 報となった。
以上の調査の内容、結果について、検討会の審議に諮り、委員の承認を受
けた。
3.2.1.1 神経行動発達試験手法に関する用語を用いた疫学研究文献の追加
検索
ADHD 等の症状を調べる神経行動発達試験手法に関する検索用語として
以下の用語を使用し、農薬に関する検索用語群(3.1.1.31)参照)、及び
ADHD 等に関する検索用語群(3.1.1.32)参照)と組み合わせて検索を
行った。

6
intelligence IQ Stanford-Binet Copying Test Pediatric
Environmental Neurobehavioral Test BatteryPENTBBayley Scales of
Infant Development MDI Mental Development Index PDI
Psychomotor Development IndexMCSAMcCarthy Scales of Children
Fagan testFTIIBNBASBrazelton Neonatal Behavioural Assessment
ScaleBehavioral Assessment and Research systemBARSChild
Behavior Checklist CBCL Neuropsychological battery Growth
measurement ages and stages questionnaireASQ
検索の結果、310 報の文献がヒットし、これらから重複 78 報を除外した
232 報についてこれまでと同様に文献内容の確認を行ったが、本事業の趣旨
に合致した文献は得られなかった。
3.2.1.2 別の検索用語を用いた疫学研究文献の追加検索、最新の疫学研究
文献の追加検索等
発達障害に関連する MeSH 用語(PubMed における統制用語)と農薬系
統名の組み合わせ等、その他の検索用語及び組み合わせで試行した検索か
ら得られた文献、PubMed 検索(10 月)以降 2010 12 月までに発表され
た文献、調査対象文献が引用されている文献等から、関連文献として 13
を抽出し、調査対象に追加した。
3.2.1.3 調査対象文献における引用文献からの疫学研究文献の追加検索
上記 3.2.1 PubMed 検索により調査対象とされた文献 12 報、及び上記
3.2.1.2 のその他の検索用語を用いた疫学研究文献、最新の疫学研究文献等
の追加検索により調査対象に追加された 13 報に引用されている文献から、
関連文献 8 報を新たに抽出し、調査対象に追加した。
3.2.1.4 その他の疫学研究文献の追加検索
調査対象とされた文献の著者は同様の研究結果を発表している可能性が
あると考え、これらの文献の著者名について、ADHD 等に関する検索用語
群(3.1.1.32)参照)と組み合わせて検索を行った結果、651 報の文献が
ヒットした。これらから重複 112 報を除外した 539 報について、これまで
と同様に文献の標題、要約の確認を行ったが、本事業の趣旨に合致した文
献は得られなかった。
また、PubMed で検索漏れの可能性がある雑誌”Environmental Health
Perspectives. Supplement”について別途、検索及び確認を行った(1993
101 巻)~2002 年(110 巻))が、調査対象として採用可能な新たな文献

7
は得られなかった(なお、他の検索作業から得られた当該雑誌の文献は調
査対象文献に含まれている)
3.2.2 調査対象疫学研究文献一覧
上記 3.2.1 で収集した疫学研究文献 33 報を表 1 に示す。
収集した疫学研究文献 33 報のうち、8 報はレビュー文献や他の文献に関す
る意見を述べた文献、試験手法についてのみ述べた文献や暴露の有無が不明
な症例報告等に関する文献などであった。

11
3.2.3 調査対象疫学研究文献の特徴
収集した疫学研究文献 33 報のうちレビュー文献等 8 報を除く原著文献 25
報について、3.1.2.2 に基づき疫学研究文献の特徴に係る表 2 を作成した。
25 報の文献のうち 17 報は有機リン系農薬に係る調査を行ったものであり、
そのうちカーバメート系、ピレスロイド系も併せて調査されたものが各々1 報
あった。残り 8 報は農薬名及び農薬系統について明示されていなかった。ネ
オニコチノイド系に関する疫学研究文献は、本調査事業における文献検索か
らは得られなかった。
また、居住環境や親の職業歴等から間接的に暴露評価した疫学研究は 25 報
中 9 報であった。
疫学研究の特徴に係る表 2 において、一般的に因果関係をよく証明すると
考えられている疫学研究デザインである前向きコホート研究に関する文献を
優先して前に配置したが、有機リン系農薬等は有機塩素系農薬等に比べて半
減期が短い傾向があり、暴露測定時期とエンドポイント評価時期の間隔が長
い前向きコホート研究が他の研究デザインに比べて因果関係をよく証明する
とは必ずしもいえない可能性が考えられる。また、今回収集された文献は全
て海外の研究成果であるが、一般に日本と欧米では農業規模、農薬の散布方
法等が異なり、日本では該当しない農薬暴露量や暴露形態の集団を対象にし
た試験が含まれている可能性もある。
試験結果については、エンドポイントの多様性、疫学研究デザインの特性、
農薬暴露の特徴等にも留意した上で、総合的に解釈する必要があると思われ
る19
3.2.4 疫学研究文献の抄録
調査対象疫学研究文献 33 報の各文献について内容を確認し、上記 3.1.2.1
に基づき抄録としてまとめた。抄録は文書番号の順番に従い、まず疫学研究
に係る原著文献 25 報、その後にレビュー文献や他の文献に関する意見を述べ
た文献、試験手法についてのみ述べた文献や暴露の有無が不明な症例報告等 8
報を発行年の古い順に整理した。抄録の詳細を次頁からの疫学研究文献抄録
集に示す。
収集された文献中で、著者らが limitation of study について明記している
場合は、抄録に<本研究の限界>として記載した。その他、文献同士の関連
性等については抄録の<備考>欄に記載した。
抄録中で用いた略語については別添資料 3 の疫学研究に関する和文抄録に
用いた略語一覧に示した。
20
疫学研究文献抄録集
文書
番号 著者名(発行年) 文献名 頁番号
疫-1 Perera et al.
(2003)
Effects of transplacental exposure to environmental
pollutants on birth outcomes in a multiethnic
population.
22
疫-2 Berkowitz et al.
(2004)
In utero pesticide exposure, maternal paraoxonase
activity, and head circumference. 25
疫-3 Eskenazi et al.
(2004)
Association of in utero organophosphate pesticide
exposure and fetal growth and length of gestation
in an agricultural population.
27
疫-4 Whyatt et al.
(2004)
Prenatal insecticide exposures and birth weight
and length among an urban minority cohort 30
疫-5 Zeitz et al. (2004)
Long-term neurobehavioral health effects of methyl
parathion exposure in children in Mississippi and
Ohio.
33
疫-6 Young et al.
(2005)
Association between in utero organophosphate
pesticide exposure and abnormal reflexes in
neonates.
36
疫-7 Engel et al. (2007)
Prenatal organophosphate metabolite and
organochlorine levels and performance on the
Brazelton Neonatal Behavioral Assessment Scale in
a multiethnic pregnancy cohort.
38
疫-8 Eskenazi et al.
(2007)
Organophosphate pesticide exposure and
neurodevelopment in young Mexican-American
children.
40
疫-9 Eskenazi et al.
(2010)
PON1 and neurodevelopment in children from the
CHAMACOS study exposed to organophosphate
pesticides in utero.
43
疫-10 Marks et al.
(2010)
Organophosphate pesticide exposure and attention
in young Mexican-American children: The
CHAMACOS study.
46
疫-11 Guillette et al.
(1998)
An anthropological approach to the evaluation of
preschool children exposed to pesticides in Mexico. 49
疫-12 Garry et al. (2002)
Birth defects, season of conception and sex of
children born to pesticide applicators living in the
Red River Valley of Minnesota, USA.
51
疫-13 Grandjean et al.
(2006)
Pesticide exposure and stunting as independent
predictors of neurobehavioural deficits in
Ecuadorian school children.
53
疫-14 Eckerman et al.
(2007)
Age related effects of pesticide exposure on
neurobehavioral performance of adolescent farm
workers in Brazil.
55
疫-15 Lizardi et al.
(2008)
The effects of organophosphate pesticide exposure
on Hispanic children's cognitive and behavioral
functioning
57
疫-16 Bouchard et al.
(2010)
Attention-deficit/hyperactivity disorder and urinary
metabolites of organophosphate pesticides. 59
21
文書
番号 著者名(発行年) 文献名 頁番号
疫-17 Harari et al.
(2010)
Neurobehavioral deficits and increased blood
pressure in school-age children prenatally exposed
to pesticides.
61
疫-18 Rohlman et al.
(2005)
Neurobehavioural performance in preschool
children from agricultural communities in Oregon
and North Carolina.
63
疫-19 Kofman et al.
(2006)
Motor inhibition and learning impairments in
school-aged children following exposure to
organophosphate pesticides in infancy.
66
疫-20 Rauh et al. (2006)
Impact of prenatal chlorpyrifos exposure on
neurodevelopment in the first 3 years of life among
inner-city children.
68
疫-21 Handal et al.
(2007)①
Neurobehavioral development in children with
potential exposure to pesticides. 70
疫-22 Handal et al.
(2007)②
Effect of community of residence on
neurobehavioral development in infants and young
children in a flower-growing region of Ecuador.
72
疫-23 Roberts et al.
(2007)
Maternal residence near agricultural pesticide
applications and autism spectrum disorders
among children in the California Central Valley.
74
疫-24 Handal et al.
(2008)
Occupational exposure to pesticides during
pregnancy and neurobehavioral development of
infants and toddlers.
77
疫-25 Lovasi et al.
(2010)
Chlorpyrifos exposure and urban residential
environment characteristics as determinants of
early childhood neurodevelopment.
79
疫-26 Guillette (2000) A broad-based evaluation of pesticide-exposed
children. 81
疫-27 Zeitz et al. (2002)
Methods of assessing neurobehavioral development
in children exposed to methyl parathion in
Mississippi and Ohio.
83
疫-28 Cicchetti (2007) Prenatal chlorpyrifos and early neurodevelopment:
how good is the science? 85
疫-29 Eskenazi et al.
(2008) Pesticide toxicity and the developing brain. 87
疫-30 Gresham &
LoVecchio (2008)
The effects of organophosphate pesticide exposure
on Hispanic children's cognitive and behavioral
functioning.
90
疫-31 Jurewicz &
Hanke (2008)
Prenatal and childhood exposure to pesticides and
neurobehavioral development: Review of
epidemiological studies.
92
疫-32 Kuehn (2010) Increased risk of ADHD associated with early
exposure to pesticides, PCBs. 95
疫-33 Riccio et al. (2010)
Pesticide poisoning in a preschool child: A case
study examining neurocognitive and
neurobehavioral effects.
97
22
文献 No. 疫-1
文献題名
(和訳)
Effects of transplacental exposure to environmental pollutants on birth
outcomes in a multiethnic population.
(多民族母集団における環境汚染物質の経胎盤暴露による出生指標への影響)
著者名
Frederica P. Perera, Virginia Rauh, Wei-Yann Tsai, Patrick Kinney, David
Camann, Dana Barr, Tom Bernert, Robin Garfinkel, Yi-Hsuan Tu, Diurka
Diaz, Jessica Dietrich and Robin M. Whyatt
出 典 Environmental Health Perspectives. 111(2) ; 201-205
出版年 2003 年
農薬系統 有機リン系 農薬名
(CAS 番号) chlorpyrifos(CPF)
暴露状況
暴 露 評 価 の
特徴 出生前(測定) 出生後(測定) 間接推定 特定不能
暴露指標 ・臍帯血中(及び分娩後 1 日
に 採 取 し た 妊 婦 の 血 中 )
CPF 濃度。
・臍帯血中(及び分娩後 1 日
に採取した妊婦の血中)コ
チニン濃度; 環境中タバコ
煙(ETS)の指標。
※臍帯血中の CPF 及びコチニン
濃度が入手できなかった場合、
母親の血漿中濃度で代用1。
・ 多 環 芳 香 族 炭 化 水 素
(PAHs)8 種2の吸入暴露濃

測定方法 ・血中 CPF 濃度; 同位体希釈
GC-HPLC により測定。
・血中コチニン濃度; HPLC-大
気圧イオン化 MS/MS により測
定。
・多環芳香族炭化水素(PAHs)8
種の吸入暴露濃度; 2日間連続
測定。昼間は個人用モニターを
個々の妊婦(妊娠後期)に装着、
夜間はベッド際に置いて測定。分
析はCamannら(1995)、Genoら
(1993)、Majumdarら(1993)に
記載の方法を用いて実施。
暴露濃度 血中 CPF 濃度:
・ ド ミ ニ カ 系 ( 56 人 ) ; 7.1
(8.5) pg/g
・アフリカ系(57 人); 8(6.3)
pg/g
・全母集団(113 人); 7.5
(7.5) pg/g
※いずれも平均値。括弧内は標
準偏差。
検出限界 本文中に記載なし
研究デザイン
研究手法 前向きコホート研究 エンドポイント
・新生児の体重、身長、頭囲、性

・妊娠期間
1 母親の血漿中コチニン、CPF 濃度と臍帯血中の濃度に相関が見られたため、代替可能と判断。
2 benz[a]anthracene、chrysene、benzo[b]fluroanthene、benzo[k]fluroanthene、B[a]P、indeno[1,2,3-cd]
pyrene、disbenz[a,h]anthracene、benzo[g,h,i]peryleneの8種。
23
実 施 時 期 及
び国・地域
米国ニューヨーク市のワシン
トンハイツ、セントラルハーレ
ム、サウスブロンクス
統計解析
血 中 コ チ ニ ン 濃 度 が 25
ng/mL 以下の妊婦を対象
に、2 段階の回帰解析を実
施。
・モデル 1(PAHs の影響評
価); 8 種の PAH 間に相関
が見られたので、合計濃度
を PAHs 指標とし、中間値
(2.66 ng/m 3)を基準に高暴
露群、低暴露群に二分し、
回帰解析を実施。
・モデル 2(CPF の影響取り
込み); コチニン濃度、CPF
濃度、出生指標の各対数値
について多重回帰解析。
※有意水準についての記載
なし。
調査対象
(年齢・性別、
人数等)
対象地域に 1 年以上居住し、糖
尿病、高血圧、HIV に罹患してお
らず、非喫煙者で、Harlem 病院
( HH ) 又 は New York
Presbyterian メディカルセンター
(NYPMC)及びそれらの関連クリ
ニックで分娩したドミニカ系及びア
フリカ系アメリカ人の 18~35 歳の
妊婦(それぞれ 146 人、115 人)
及びその単胎出生児(それぞれ
146 人、115 人)
交絡因子の調整
・モデル 1; 母親の BMI、出産経験、妊娠年齢、出生児の性別、血中コチニン濃度により補正を
行った。食物の PAHs についても補正。所得、妊娠中の飲酒量は、有意な交絡因子とはみなされ
なかったので、補正は実施しなかった。
・モデル 2; モデル 1 の補正に、血中 CPF 濃度に関する補正を追加。
※人種/民族について層別解析。
概 要
<背景・目的>
都市部の少数民族母集団は出生指標に悪影響を受けやすい高リスク群であり、ETS、大気中
PAHs、農薬等の環境中汚染物質に暴露される機会が非常に大きいとみなされているが、出生前
暴露の程度及び影響の情報は限定的であった。本研究では、各妊婦の血中コチニン濃度(ETS
の指標)、大気中 PAHs 濃度、血中 CPF 濃度と出生指標との関係を調べた。
<結果及び考察>
PAHs 暴露と民族性との相関は、出生時体重(p=0.002)及び頭囲(p=0.012)に関して有意に
見られた。アフリカ系では、出生前の PAHs 高暴露と出生時の低体重(p=0.003)及び低頭囲
(p=0.01)に有意な相関(交絡因子補正後)が見られたが、ドミニカ系では見られなかった。妊娠期
間はドミニカ系の 39.6 週に比べ、アフリカ系は 39 週で有意差(p≦0.01)が見られた。
CPF 濃度は、全母集団における出生時の低体重(p=0.01)及び低身長(p=0.003)、アフリカ系
における出生時低体重(p=0.04)、ドミニカ系における出生時低身長(p<0.001)との間に相関が

 見られた。しかし、いずれの群でも頭囲との有意な相関は見られなかった。CPF 濃度による補正後
(モデル 2)も、PAHs 暴露と出生指標との相関関係は変化しなかった。また、PAHs 濃度と CPF
濃度は、出生指標に対し互いに独立変数として作用しているようであった。
以上より、ニューヨーク市における現時点での環境中汚染物質暴露濃度は、胎児の発達に有害
影響を及ぼすという証拠が得られた。
<本研究の限界>
特に記載なし。
備 考
疫-4 の引用文献。
発達障害や発達神経毒性への影響を直接的に調べた研究ではない。
本研究では調査対象農薬を、血中検出濃度が最も高い CPF に限定したが、実際の環境中に
は他の農薬も含まれていると思われるので、暴露の調査対象を拡大して相関を調べる必要があ
る。