マイクロプラスチックは耳慣れてますが、マイクロカプセルも人工的に小さくしたプラスチックです。大きさはPM2.5前後。

ヒトゴト 対岸の火事でなく

ジブンゴト

https://news.yahoo.co.jp/articles/d96f0e005148128a2095f952ba2ab3960acbae0c?page=1

2010年からマイクロカプセルが家庭用品、柔軟剤などに使われ始めました。

 

意外なプラスチック製品、人工香料とマイクロカプセルのリスクとは

 

配信

 

オルタナ

 

記事のポイント①10年ほど前から「柔軟剤」の香りブームが続いている②柔軟剤の構造は、人工香料とマイクロカプセルの2つに大別される③分解されにくいため6割以上が土壌や河川・海に流出する

 

人工香料は弾けたマイクロカプセルとともに家庭排水として下水処理場に流れ込み、河川や海に流出する可能性がある(この写真はイメージです)

 

「プラスチックは固形」と思っている方もおられるだろう。しかし、プラスチックの原料は石油なので様々な形状や大きさの製品を作ることが可能だ。今回は意外なプラスチック製品として、広く消費されている日用品の「柔軟剤」の構造とそのリスクを紹介する。(照井敬子)

 

10年ほど前に海外製品から始まった「柔軟剤」の香りブーム。現在も「香りがはじける」「効果が持続する」というキャッチフレーズで多くの製品が店頭に並んでいる。 香りを持続させる機能を持つ柔軟剤の構造は、「香り成分(人工香料)」と、香り成分を包む「マイクロカプセル」の2つに大別され、そのどちらとも健康へのリスクが懸念されている。 一般に使われている香り成分の原料の9割は石油からつくられた人工香料であり、常温で揮発するので揮発性有機化合物(VOC)に分類される。カナダの研究によると、製品の使用に伴い揮発し喘息や呼吸器疾患の原因になることが分かっている。 人工香料は弾けたマイクロカプセルとともに家庭排水として下水処理場に流れ込むが、分解されにくいため6割以上が土壌や河川・海に流出する。 東大の研究(2019年)により、首都圏河川で漁獲されたヤマトシジミから柔軟剤と同じ組み合わせの人工香料とマイクロカプセルが検出され、柔軟剤起源の人工香料が環境中に拡散していることがわかっている。 人工香料を包むマイクロカプセルもまた、石油から作られたプラスチック樹脂だ。マイクロカプセルはPM2.5と同程度のサイズで存在し大気中に漂うため、容易に肺へ取り込まれる。海洋プラスチック汚染により人体へマイクロプラスチックが蓄積していることが知られているが、柔軟剤中のマイクロカプセルも人体蓄積の一因である。  このように、人工香料とマイクロカプセルは使用時に皮膚や室内空気から吸収するだけでなく、土壌や水源、大気などの自然環境経由でも吸収され大きなリスクとなる。

 

次ページは:■市民団体の要請うけた自治体の動き

 

■市民団体の要請うけた自治体の動き

 

香りつき洗剤や柔軟剤による健康被害が広く認知されたきっかけは、人工香料による体調不良(頭痛、吐き気、めまいなど)や化学物質過敏症の発症である。学校や職場で他者の衣服にしみついた人工香料を嗅ぎ体調不良になることから「香害」とも呼ばれている。 香害に悩む生活者や市民団体の要請を受け、多くの自治体で「人工香料の過剰な使用を控えてほしい」との発信がされている。自治体では「人工香料が苦手な人への思いやり」を発信しているが、環境汚染を経由した見えにくい人体への蓄積や長期に渡る健康被害を考えると、「他人への思いやり」ではなく「ジブンゴト」なのではないか、そう強く思う。 海外での対応はどうだろう。アメリカでは、市民団体の要請により成分開示が行われ毒性が明らかになったことで、CDCや環境保護庁が行政機関、教育機関、研究機関、医療福祉機関での使用自粛が呼びかけられている。GMO(遺伝子組み換え、ゲノム編集)食品に厳しい規制をかけているEUでは、日用品へのマイクロカプセルやマイクロプラスチック使用にも規制をかける方針とのことだ。

 

■香害・化学物質過敏症に関するアンケート調査

 

水と純石けんのみの製品づくりにこだわった「シャボン玉石けん」は、65日を「無香料の日」と定め、「香害・化学物質過敏症に関するアンケート調査※1」の結果を発表した。 「日用品や化粧品の香料で不快な経験をしたことがある」との回答は67%で、人工香料での体調不良を経験したとの回答は40%であった。香害の認知度は「聞いたことがあり、どんな問題か知っている」との回答が30%、「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」との回答が45%で、化学物質過敏症に関してもほぼ同じような結果であった。 筆者の実感として認知度はもっと低いように思うので、シャボン玉石けんによるアンケートという背景から、添加物や化学物質に感心がある層が多く回答している可能性もあろう。いずれにしても、用語ではなく問題自体の認知をもっと広げていくことが必要と感じる。 「周りへの配慮をしようと思うか」との設問には「とてもそう思う」が32%、「ややそう思う」が38%と、合計で70%が「配慮」を志向している。もちろん「配慮」「他人への思いやり」は尊いことであるが、前述の理由から、できれば「ジブンゴト」として考えてほしい。 ※1:20代から60代の男女を対象にしたWEBによる「香害・化学物質過敏症に関するアンケート調査」 (調査期間:2023515日~22日、サンプル数:549人) <参考資料> ・知っていますか?香害/無香料生活@埼玉の会 ・香害って何?/ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議